2010年1月3日日曜日

香山リカ著『しがみつかない生き方』

何事も60点がとれれば上出来だと思ったワケ





【ワケ】

目の前の事に自分の精一杯をぶつけた後は、


「まだまだあれもやってない、これもやってない・・・」


などと堂々巡りはやめること。



人に迷惑をかけずにそれなりに結果を残したら、


60点は確保できた証拠。


60点とれた事を喜んで受容し、白黒つけずに曖昧さを残しておくこと。


後は余力を残し、新たな気持ちで次の出来事に向かっていく。



この「余力を残す」というのがカギです。




に100パーセントを目指していると、


この「余力を残す」ことができなくなります。


だから60点くらいがちょうどいいのです。


出した答えに正解などないのです。


以前読んだ藤原和博さんの著書に書かれていた、


納得解が得られればいいのです。


【マインドマップ】




本書には全部で10個の「余力を残す」ためのヒントが書かれています。

では、そのいくつかをご紹介していきましょう。


●白黒つけない

正直、これは耳の痛い話でした。


仕事をしていく上では、とかく白黒をつけないと


前に進んでいかないことが多いようです。



子ども相手だからこそ、余計に白黒つけることが難しいにも


関わらず、全体的な雰囲気が白黒をつけることを


求めているような気がします。

「自己責任」


この言葉が重くのしかかってきます。



「~もうちょっと様子を見てみないと何とも言えないね」


といったあいまいさを認めるゆとりが、社会にも人々にも


必要なのではないだろうか。そしてこの


「あいまいなまま様子を見る」という姿勢はまた、


自分と違う考え方、生き方をしている人を排除せずに


受け入れるゆとりにも、どこかでつながるものだと


思われる。」

この文章を読んでふと、「お互い様」という言葉を思い出しました。 



●水に流さない

私達が余力を残しながら日々生きていく上で、

水に流してもいいものと、流してはいけないものがあるそうです。



水に流していいものは、自分を苦しめたり追い詰めたりする


人、モノ、コト。


反対に流してはいけないことは、過去の歴史と


自分にとって嬉しかったことや感激したこと。



いつまでも自分にとって辛い思い出を流さずに、


そこから抜け出さずにいると、負のサイクルに陥ってしまう。

そこは水に流せるように、


自分の思考パターンを意識して変え努力をする。

反対に楽しかったこと嬉しかったことをしっかりと認識し、


自己肯定感をもつことが大切だということです。



●〈勝間和代〉を目指さない


そりゃそうです!


そんなに簡単に誰もが勝間さんのようになれるわけではないですよ。


何てったって紅白の審査員ですよ!



大切なのは、自分自身を受容すること。


自分を客観的にみて、自信をもつこと。



香山さんは、勝間さんのようにチャンスに恵まれることは


誰にでも訪れることではない、


たとえ恵まれなくても、孤独や絶望に耐える術を身につけることが


大切だと言っています。



これまで私が読んできた勝間さんの著書からは、


いかに楽しみながら時間を投資し、学び、効率化を図り


心・技・体の力を身につけてきたかがわかります。


決してチャンスが偶然転がっていたからでは


ないのです。

自分を追い詰めるような努力は続かないから、


楽しむことで続ける仕組みを作りましょう。


と勝間さんは繰り返し言ってきました。



その言葉を「白黒つける」思考回路で読んでしまうと、


やはりその後待っているのは、自分を追い込んでしまうように


なるのでしょう。


この「しがみつかない生き方」は、カツマーにとっての、


一つの処方箋なのかもしれませんね。



【教育に活かす!】

●60点主義

【ワケ】にも書きましたが、やはり本書を読んで【教育に活かす!】のは、


この「60点主義」がベスト1です。



100点を目指しつつ、もう一人の自分は冷静に、


こんなものだろうとブレーキをかけてあげるのです。



子ども達相手に100点を目指したところで、


発達段階もあれば相手のタイミングもあります。


お互いにシンドクなってしまいます。



以前読んだ村上春樹さんのエッセイに、


次のような意味のことが書かれていました。



「小説を書くこともマラソンと同じで、


まだ書ける、まだ走れるくらいの余力を


残しておくのがちょうどいい・・・


全力を出し尽くしてしまうと、次に取りかかるのが


しんどくなるから・・・



余力を残して終わった方が、次に取りかかりやすいのです・・・」



ベストを尽くしながらも、この「60点主義」の考え方を


大人にも子どもにも臨機応変に活かしたいものですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
感想などありましたらコメントいただけると嬉しいです。

1 件のコメント:

  1. こんにちは。
    Twitterから来ました。
    以前読んだ「がんばっていても不安なあなたへ」を思い出しました。
    完璧主義をやめて、自分の良さを見直しなさいというような内容が書いてあります。
    僕のまわりにも完璧主義に近い人はたくさんいますが、その部分が行動の源のようなところもあり、なかなか一朝一夕に本を読んだだけで変わるというのは難しいんじゃないかと思います。

    白黒つけるのをやめていけば、もうちょっと自分を好きになれるのに。勿体ないなとは思います。

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